また来た。意識ははっきりしているのに身体が動かない。呼吸も苦しい。中途半端な時間に昼寝をしたせいか・・・
金縛りに遭った。いつもより長い。苦しい。
何か低い声が聞こえてくる。何を言っているのかわからない。悪魔の声だ。
すると、「お前は?」と。
「俺のことならどうでもいい」と心の中で叫ぶ。「いっそお前と同じ悪魔にしてくれ」。そのときの苦しさから少しでも早く抜け出したかった俺は続けて叫んだ。
悪魔は、「今年の12月24日、黒板に書いてあるものを保存しろ」と言った。
金縛りは解けた。
その後、悪魔の言葉は、俺の頭から離れなかった。「12月24日、黒板に書いてあるもの」。
そして、数ヶ月と数週間たった12月24日、俺は、およそ一時間半かけて、当時通っていた予備校に行った。空いている部屋があった。黒板を見た。そこに書いてあったのは
「sophia」だった。
「英知」 そうか、このまま知恵を蓄えれば、悪魔になれるのか・・・
そのとき俺は、それを受け入れようと決心した。