おととい、道ばたにたむろしている奴らとけんかしたことも
きのう、大学の午前中の授業サボったことも
きょう、定時に電話しなかったことも
結局、結局、彼女なら許してくれる
ごめん ありがとう
おとといのせいか、左頬が痛い
おととい、道ばたにたむろしている奴らとけんかしたことも
きのう、大学の午前中の授業サボったことも
きょう、定時に電話しなかったことも
結局、結局、彼女なら許してくれる
ごめん ありがとう
おとといのせいか、左頬が痛い
初日の出を待つ車のラジオから、この十年を彩ったヒット曲が次から次へと流れてくる中で、あふれ出す感情に耐えることができない
隣のシートで寝ている彼女に精神のすべてを委ね、感情を予感に変えている
何かが新しく始まりそうな予感を感じている
気づかぬうちに、いくつものきれい事を並べてきていた
目を背けることで、答えの出せない矛盾を正当化してきた
一体どれだけ、肩を抱いてやれば、その震えが止まるのだろう
一体どれだけ、言葉を尽くせば、信じることができるのだろう
のしかかる悲しみの中で
不恰好な自分だけがさらけ出されていく
また来た。意識ははっきりしているのに身体が動かない。呼吸も苦しい。中途半端な時間に昼寝をしたせいか・・・
金縛りに遭った。いつもより長い。苦しい。
何か低い声が聞こえてくる。何を言っているのかわからない。悪魔の声だ。
すると、「お前は?」と。
「俺のことならどうでもいい」と心の中で叫ぶ。「いっそお前と同じ悪魔にしてくれ」。そのときの苦しさから少しでも早く抜け出したかった俺は続けて叫んだ。
悪魔は、「今年の12月24日、黒板に書いてあるものを保存しろ」と言った。
金縛りは解けた。
その後、悪魔の言葉は、俺の頭から離れなかった。「12月24日、黒板に書いてあるもの」。
そして、数ヶ月と数週間たった12月24日、俺は、およそ一時間半かけて、当時通っていた予備校に行った。空いている部屋があった。黒板を見た。そこに書いてあったのは
「sophia」だった。
「英知」 そうか、このまま知恵を蓄えれば、悪魔になれるのか・・・
そのとき俺は、それを受け入れようと決心した。
敗者を生むためではない きっと、勝者を生むべく存在するのだ
では、敗者は誰に何も与えられないのか
いや、結果として、優しくなった敗者は、心和む「言い訳の仕方」を教えてくれる 負けても笑える理由を教えてくれる
しかし、競争が続くこの世の中は、それほど甘いものではあり続けない
勝者しか受け入れず、やがて、勝者だけに絞られていくのだ
最後に残るのは何人? 一人? それは、疲れ、果て、ボロボロになった・・・
どこかで競争を止めないといけないのかもしれない
けど、今は、勝者を称える仕組み作りに、みんな躍起なのだ
今日、「妥協」が「仲良くしようぜ」って話しかけてきた
昨日は「刹那」だった
明日は、どんな甘い言葉が、俺を誘惑してくるのだろう
家のドアのチャイムを鳴らした
髪を切った彼女が出迎えてくれる
その後、導かれるのはリビングか彼女の部屋か?
リビングだった 肩を狭くしてソファに座っていった
彼女のママと形式的な会話、水気のないお菓子、窓から見える隣のマンションの壁 危うく窒息しそうになる
待望の彼女の声 彼女に呼ばれ彼女の部屋へ
「安心」
彼女と俺と少しあまいささやきと・・・
彼女の部屋
ドアにはジェームス・ディーンのポスター ベッドには中くらいのテディベア 壁のカレンダーには俺たちのスケジュール・・・
そして、机の上には二人のフォトスタンド
その空間でほっとため息をついた
プレッシャーから解放された俺は、風を味方にして
ずっと南から吹いてくれるように願った
そして、風と光に包まれ
それが永遠であることを必死に祈り続けた
今、天から与えられた一筋の光が降ってきた
錯覚を起こした そう、そのとき錯覚を起こしたんだ
自分は一人ではないんだと
これは現実なのか その光は消えずにいてくれるのか
触れたら無くなってしまうのではないかという恐れを抱きつつ
その光に触れ
その光に誘われ
その光に包まれる
その光は、決して影など作らぬ光なのだ
「それって、本当にそう思って言っている?」って言うから、「もちろん」と答えた。
相手は納得がいっていないようだ。いぶかしげな表情をしてる。
「今後、世界から戦争がなくなります」ってような話、
嘘に決まってんだろ。